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植田日銀総裁、望ましい水準よりも低いインフレ率の修復は困難
概要:日本銀行の植田和男総裁は9日、金融政策の正常化を急ぐ考えはないことを示唆した。日本の現状を踏まえると、望ましい水準よりも低いインフレ率はオーバーシュートよりも対処が難しいと指摘した。
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藤岡徹
2023年11月9日 18:57 JST
日本の基調的なインフレ率、まだ2%を若干下回っている
日銀は目標に向けて前進も、2%までにはまだやや距離-植田氏
日本銀行の植田和男総裁は9日、金融政策の正常化を急ぐ考えはないことを示唆した。日本の現状を踏まえると、望ましい水準よりも低いインフレ率はオーバーシュートよりも対処が難しいと指摘した。
「オーバーシュートの場合、金利を上げることで対処できると思う」と英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)主催のイベントでのオンラインインタビューで語った。「アンダーシュートの場合、金利の実質的な下限がゼロであることや、非伝統的な金融政策手段の制約や問題を考えると、対処はかなり難しいだろう」と続けた。
日銀が来年半ばまでに大規模な金融緩和策を正常化させる方向に向かうという市場の見方が強まる中で発言した。植田氏は、日銀は2%のインフレ目標に向けて前進しているが、まだそこに到達していないとの見解をあらためて示した。
基調的物価は2%へ徐々に上昇も、「十分な自信ない」-日銀総裁
超緩和的な政策からの出口が見えてきた時、利上げは日銀にとって「深刻な課題」になるとの考えを示し、市中銀行、借り手、総需要への影響を考慮しなければならないと語った。長期金利のコントロールも大きな課題だろう。同氏は、日銀が債券市場に大きな変動をもたらすことなく出口を迎えられることを望んでいるが、そうなるかどうかは「これから分かることだ」と述べた。
日銀は先週、10年物国債利回りの上限1%を厳密な上限ではなく参考値として位置付けることで、イールドカーブコントロール(YCC、長短金利操作)の縛りを緩めることを決定した。多くのエコノミストはこの動きを、市場ボラティリティーの急上昇を避ける形で正常化への一歩を踏み出したとみている。
植田氏は、マイナス金利の終了にも課題があるとの認識を示し、「誰もが低金利環境に慣れているため、かなり慎重に進めなければならない」と語った。
植田総裁の発言後、円相場は1ドル=151円前後で推移。この水準は、日本当局が通貨買い支えに介入した1年前よりもさらに円安だ。植田氏は、為替レートが経済のファンダメンタルズを反映することを望むと表明した。
「もちろん、為替レートの変動がインフレや生産にどのような影響を与えるかを注意深く分析する。必要であれば対応する」と述べた。
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