米商用EV優遇措置、輸送業界の「クリーンビークル」普及につながるか
米インフレ抑制法に盛り込まれた商用電気自動車(EV)購入に対する新たな税額控除制度が来年1月1日から始まる。大型商用EVなら1台当たり最大4万ドル、小型商用EVでも最大7500ドルの控除が適用され、宅配サービスをはじめとする輸送業界にクリーンビークル(バッテリー式EVとプラグインハイブリッド車=PHV、燃料電池車=FCVの総称)への切り替えを促す狙いだ。
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概要:[東京 22日 ロイター] - 日本の大手銀行が収益拡大の機会を求め、米国で信用格付けの低い企業向けの社債引受や協調融資を強化している。低格付け企業向けのビジネスは、得られる手数料が大きい半面、より高度なリスク管理が求められる。金利上昇やウクライナ危機で金融市場を取り巻く環境が不透明になる中、当局からはリスクと機会の見極めが重要との声が聞かれる。
[東京 22日 ロイター] - 日本の大手銀行が収益拡大の機会を求め、米国で信用格付けの低い企業向けの社債引受や協調融資を強化している。低格付け企業向けのビジネスは、得られる手数料が大きい半面、より高度なリスク管理が求められる。金利上昇やウクライナ危機で金融市場を取り巻く環境が不透明になる中、当局からはリスクと機会の見極めが重要との声が聞かれる。
4月22日、日本の大手銀行が収益拡大の機会を求め、米国で信用格付けの低い企業向けの社債引受や協調融資を強化している。写真は。三菱UFJ銀、みずほ銀、三井住友銀の看板。都内で2018年4月撮影(2022年 ロイター/Toru Hanai)
国内の低金利に苦しんできた日本の金融機関は、成長を求め金融手数料の市場規模が大きな米国で事業を拡大してきた。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)、みずほフィナンシャルグループの大手3行は、格付けの高い企業向け融資や社債引受の取引手数料では米系を除きすでに上位群に食い込み、ここ数年は信用格付けの低い「非投資適格」企業向け業務にも力を入れている。
昨年には、米医療機器大手メドラインのレバレッジド・バイアウト(LBO)ファイナンスの引受に3行がそろって関与、幹事行を務める案件も増えている。
金融庁のある幹部は「海外市場の経験を積む中で、信用力の高い先のみならず、非投資適格企業との取引深化を通じて収益性を高める戦略は理解できる」と話す。
一方、昨年まで活況だった非投資適格債券・ローン市場は、米連邦準備理事会(FRB)の利上げやウクライナ情勢などの影響で足元は冷え込んでおり、メガバンク3行の実力が今まで以上に試される。
米国の非投資適格企業向け債券・協調融資の取引手数料ランキングで現在17位のMUFGは、23年に順位を12位まで上げることを目標に掲げる。佐藤慎一・グローバルCIB企画部長は、収益機会が見え始めた5年ほど前から事業を強化してきたと説明する。
米国では非上場企業に投資するプライベートエクイティファンドが台頭し、日本の銀行も資金の供給者に選ばれることが多くなった。足元ではリスクが拡大しているものの、佐藤氏は「(市場動向を)見極めることが必要だが、(今後も)ある程度は伸びていくことが想定される」と語る。「継続的な投資を続けながら、一定程度のシェア、ビジネスまで育てていく」と話している。
<情報力と対応力が明暗分ける>
日本の銀行が米国で実力を高めるには、現地のノウハウを取り込むのが近道となる。
みずほFGは2015年、英ロイヤルバンク・オブ・スコットランドから北米企業向け融資を約3500億円(30億ドル)で買い取り、人員約150人を引き受けた。笠松祐介・グローバルコーポレート業務部参事役は、人材やリスク管理体制を強化する上で「この買収が1つのターニングポイントだった」と話す。買収当初は格付けの高い米企業との関係を深め、徐々に非投資適格企業に取引を広げたという。
米国みずほ証券を含む米州拠点の2021年3月期の経常利益は前年比2.2倍増の600億円だった。22年第3・四半期時点でもすでに477億円で、好調を維持している。
競合の大手行幹部は、みずほの米国事業に米金融大手などから優秀な人材が入ったことで融資審査のスピードやリスク管理などが大幅に改善したと評価する。調査会社のディールロジックによると、みずほFGの非投資適格債券・ローン市場における手数料シェアは1.5%(21年)。過去3年間で倍増しており、笠松氏は「まだまだ伸ばせる。そこを1つの成長のドライバーにしようと考えている」と話す。
SMFGは、21年に結んだ米証券会社ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループとの資本・業務提携を足掛かりにしようとしている。昨年12月にロイターのインタビューに応じた太田純社長は、米国での証券機能が弱く、好調だった米資本市場ビジネスから恩恵を受けることができなかったと語った。
銀行業界を担当するJPモルガン証券の西原里江シニアアナリストは、3行の米国投資銀行事業について、「三者三様に非投資適格領域に注力していて、いずれも右肩上がり」と評価。一方、事業を拡大していく中では、リスクが顕在化してからの情報収集力と対応力の差が明暗を分けると指摘し、「自前でどこまでできるかを見極めた上で取り組まなければいけない」と話している。
非投資適格企業の領域とは異なるものの、昨年発生した米ファミリーオフィス、アルケゴス・キャピタル・マネジメントの巨額損失問題では、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなど上位の米投資銀行が影響を最小限に抑える一方、リスク回避に遅れ多額の損失を出す金融機関もあった。
日銀は21日の金融システムリポートで、3行による海外貸出を分析した。米銀に比べて「非投資適格級の比率が高い」と指摘した上で、金融環境が悪化すると「デフォルト(債務不履行)率が上昇する可能性がある」との見解を示した。
格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは「市場の不安定性が高まる中、資本市場における特に非投資適格事業のシェア拡大に向けた邦銀の取り組みはリスクが高い」としたが、「慎重な事業拡大は収益性の向上に寄与するだろう」と評価した。
先出の金融庁幹部は「戦略に見合ったリスク管理態勢の構築に期待しており、注視している」と話している。
(新田裕貴、山崎牧子 編集:久保信博、石田仁志)
*担当記者名等を追加し再送します。
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